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派遣社員

派遣バイト初日

派遣会社に登録してから、初めての仕事は事務所の移転作業だった。
私の記憶では、2002年4月。
現場は都内のオフィスビル。作業者は10名程であった。
派遣会社から指定された現場に、定刻どおり到着。
午前中だけで作業が終わる契約。
作業内容は実に単純だ。オフィスのデスクやロッカーを
平台車に載せて、エレベターにバンバン流し込む。
ビルの外に待機しているトラックに、ガンガンそれらを積む。
大まかに言うと、そんな内容。
このテの作業は、次の様にチームで分かれて作業する。
1、部屋内で物を台車にかけたりするスタッフ。(出しとよんでいる現場も有る)
2、台車にかけた荷物をエレベーター迄移動するスタッフ。
エレベーターからその台車をトラックまで移動するスタッフ。これらの役を❝横持ち❞とよぶ現場もある。
3、エレベーターにずっと乗っていて、積込みの補助をしたりドアの開け閉めをする❝ベーター❞。
(私はこのベーター係を何度か派遣の現場で経験したが、かなりラクだと思う)
この日の作業は、特に大きなトラブルも無く終了。
半日勤務だったので、給与は4千円ちょっと。交通費が一律で300円~400円程。
学生時代に大手運送会社で、日雇いバイトで働いた事が過去に有った。
その時と、仕事内容も給与も大きな変わりはないなーと感じた。これが派遣バイト初日の感想。
しかし、今でも強烈に記憶に残っていることが1つ有る。
それは、一緒に働いた派遣スタッフのメンバーの1人が、上の前歯が3,4本無かったこと。
私にはそれが、強い衝撃だった。私は正社員時代に10年以上営業職をしていた。
その時に社内の人(同僚、上司、先輩、後輩を含めて)に、その様な方に会ったことが一度も無い。
そして、取引でお会いする得意先様の方々も、その様な方は皆無。

あれから約20年。

仕事内容よりも、あの「前歯の無い人」の顔を忘れられません。

作成者: つ―ぽん

40歳を目前に、非正規雇用労働者として生きていくことを決意した男。
体験した職業の数は、50を超える。(正社員と非正規雇用を含め)
現在は、アルバイトでWワークをしながら、生計を立てています。
妻と二人で神奈川県の片隅に、ひっそりと暮らすアラ漢(60近いオトコ)です。