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特殊 短期離職

特殊な仕事 その1

自宅近所のスーパーを勤務日数4日間で退職した私は、早く次の仕事を見つけ様とアセッていた。
無料求人誌を見ていると、ふと気になる案件を見つけた。それは、夜勤の仕事であった。
夜勤の経験は10年有るし、時給も日勤よりも高い。そして何よりも身体が夜勤に慣れている。
そんな自信もあって直ぐに電話で応募した。

職場が有るのは関東にある主要都市。関東1都2県を結ぶJRのメイン路線のとある駅が、最寄り駅であった。
電話の後に即面接。最寄り駅とされている駅から歩いていくと、中々社屋に到着しない。元々その場所は土地鑑が有るにもかかわらず、面接地に着かないのだ。

約30分近く歩いたかと思う。ようやく到着して面接を開始。
面接官からは
業務の時間帯は、22時~翌朝5時か6時頃迄。(業務量によって早く終了することもある)
勤務日数は週5日。
仕事内容は、デパートや大型商業施設で使用する釣り銭の入ったカバンを配達するお店ごとに仕分けて配る。
と説明を受けた。
希望の公休日を面接官より聞かれて、土曜日と日曜日の晩を希望しますと応えて面接は終了。
結果は1週間以内に電話にてとのこと。


面接から三日程経過した頃、先方の人事担当者より採用の連絡がありました。
初日の勤務は夕方6時から3時間程、研修を兼ねて行うとの事。
私は指定された日時に改めて会社に伺い、初日の研修を受けました。
面食らったのは、取引先が何百軒とあり、その取引先ごとに梯子状の台車が配置してあり、その場所を覚えないと釣銭の入ったカバンを早く配れないことでした。後日になって判るのですが、カバンを配って終わるのではなくて、その後も2つか3つの作業工程が存在するのでした。
その職場は、長く続いている非正規社員が多数いる様でした。社員は3,4名しかいません(夜間の時間帯において)
それに対して契約社員(私の様な1週間フルタイムで勤務する者)や短時間アルバイト(1日4時間~5時間)が、1晩に20人近く就業するシフト隊形でした。

初日の研修を終えて帰る時に、私を指導してくれた20代後半位の男性社員から出勤時間について、尋ねられました。「夜勤希望ということだけど、20時から開始で良いかな?理想を言えば18時半開始がありがたいのですけどね」私は「エッ?!」と思い絶句。次の瞬間に「22時開始と求人誌に出ていたはずです。その条件で応募して、面接官の方にもその件は確認したのですが」と、やや強めな語調で返しました。
すると相手の男性は、「現場サイドは18時から夜勤は開始しているんだよね。まぁ、職場に配属されてからの就業開始時間の調整は多少可能なので、まずは20時で出社してみて後は職場のリーダーに相談してみたらどうですか」

男性の話し方を見ていると、完全に苦し紛れの”言い訳”にしか見えなかったのです。
この時点で取りやめを申し出ても良かったのです。しかし、大手の警備会社が出資している企業で給料もそこそこ良い。締め日から振込み日までも、それ程長くなく1回目の給料日迄それ程待たなくて良いことも魅力でした。
仕方なく1週間はやってみて、まずは職場の責任者に就業開始時間について交渉してみようと。そう考えて20時開始の条件を一旦飲むことにしました。
「就業開始時間が求人募集の内容と2時間も違うなんて、あり得ないよな。」
初日の研修を終えて、モヤモヤしながら又職場の最寄り駅迄の長い道のりを歩いていたのを今もハッキリと覚えています。時期は2017年の2月初め。暦の上では立春を過ぎていましたが、この後4年以上私にとって仕事上の”厳しい冬”を迎えることになるとは、この時は全く思ってもいなかったのです。

作成者: つ―ぽん

40歳を目前に、非正規雇用労働者として生きていくことを決意した男。
体験した職業の数は、50を超える。(正社員と非正規雇用を含め)
現在は、アルバイトでWワークをしながら、生計を立てています。
妻と二人で神奈川県の片隅に、ひっそりと暮らすアラ漢(60近いオトコ)です。