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特殊 短期離職

特殊な仕事 その4(最終話)

22時開始で仕事をする事になり、新たな気持ちで仕事に取り組むことになった。
しかし、どこか仕事がしにくい。

まず、この現場は20時~22時過ぎの間に、1回目の作業のピークを迎える。
それが終わり頃に出勤すると、「今来たのかよ?」のアウェー感が強い。
そして私の嫌いなG係長と2人で作業する時間が、圧倒的に増えたことだ。

22時に出社する私は、翌朝6時迄が就業時間になる。他のメンバー達(非正規社員)は、朝の4時頃には退社してしまう。そこからの2時間はG係長と二人で作業することばかりであった。
このG係長の仕事の教え方は、「見て1度で覚えろ」的なやり方だった。
しかし私はメモを取り、何度も見返して繰り返して作業しないと覚えられない。
このG係長は、かなり苦手なタイプである。Gからしても、私は嫌いなタイプだと思えた。
毎朝5時頃になると他の事業所から、複数のカバンが運ばれてくる。到着すると、そのカバンを何台かの台車に分けて、エレベーターで別のフロアに運ぶ。しかし、中々正しく仕分けしてその後の処理も手際良く出来なかった。
ある時など「君は何度やったら覚えるんだ!!」と、かなり強い口調で注意された。
エレベーターで、このGと二人だけになる時が何度もあったが、最悪の空気感だった。
私は元々新しい作業を覚えるのが特に苦手であった。
更にこの仕事の直近の10年間続いた夜勤の仕事が、毎回同じのルーティンワークで、新しく覚えるということが無かった。それが原因で脳がすっかり ”退化” していたのだ。
私はこのGにかなりマークされた。私のやる作業を一々チェックして ”手直し” された。
その度に「キミはミスが多いから」と言われた。Gの行為は今思えば、パワハラと思う。
私はすっかり仕事をする気が無くなった。
それでも、このGからの嫌がらせを2週間位耐えた。しかしバカらしくなり、又H主任に退職したい旨を申し出た。
H主任は又も了承してくれなかった。私は強硬手段に出た。
電話で昼間に人事に退職したいと伝えて、それ以降全く出社しなかった。
何回か自分の携帯に電話が有ったが当然応答せず。当然留守電モードも解除しておいた。
そろそろホトボリも冷めたかなと思った頃に会社に電話をした。
電話口で事務の女性が、退職手続きと同時に制服を返しにきて欲しいとのことだった。
女性の話し方からすると、私の様に短期間で辞める者も多そうな感じがとれた。
「制服をキチンと返しに来るのは、まだマシなほうかもしれないな」と勝手に思った。
やはり、求人欄に載せている就業時間を反故にする会社は、ハズレだなと思った。
退職後2ヶ月程してこの会社から、契約書が届いた。その契約書に記載されていた就業時間は、実際に作業していた時間とも違っていた。契約書を退職してから送ってくる事も変。今でも不可解なことばかり。

今でも無料求人誌を見ると、しょっちゅう募集しています。「やはりな」と思うばかり。





作成者: つ―ぽん

40歳を目前に、非正規雇用労働者として生きていくことを決意した男。
体験した職業の数は、50を超える。(正社員と非正規雇用を含め)
現在は、アルバイトでWワークをしながら、生計を立てています。
妻と二人で神奈川県の片隅に、ひっそりと暮らすアラ漢(60近いオトコ)です。