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短期離職

コールセンター初体験

これは、比較的直近の体験です。2020年の夏私は、人生初のコールセンターの仕事に就きました。

2020年7月下旬に、派遣会社を介してその仕事で働きだしました。
業務内容:都内で利用する公共的なサービスに関する電話によるお問い合わせ対応業務。
場所:横浜市内のオフィスビル街一角のとある建物内。

7月下旬に3日間~4日間の研修を受けました。電話機の使い方や、今回の公共的なサービスの内容や、そのサービスを利用している方々についての説明等を派遣先の社員の方々から丁寧に説明を受けました。
そして4日目に実際の電話を取って電話応対をしました。
私は最初、次の2点を知り驚きました。

① コールセンターが横浜市内に有るのに、都内にあると想定して電話対応をしなくてはならない。
② コールセンターのスタッフ達全員は、とある団体の職員を装いつつの対応が必要。
早い話②については、お客様を騙すのと一緒じゃん(笑)と思いながら、電話を取っていました。

電話をかけてくるのは、お年寄りばかり。その理由は、このサービスを利用する条件として、年齢制限があるからです。
主なご条件としては、下記のとおり。

1、とある地域に住んでいること。(住民票の住所が該当する地域にあること)
2、年齢〇〇歳以上。
3、前年度の所得が〇〇円未満の者。(つまり高額所得者は、このサービスを受けれません)
4、サービスを受ける者は1年に1度、申請が必要。
5、上記4の場合と、新規申し込みの者は前年度の所得を証明する書類の提出が必要。

ざっくり書くとこんな感じです。これだけの内容で、このサービスの”正体”にお気づきの読者様もいるかもしれませんね(笑)。私もボカして書いたつもりなんですけど...(^^;)

この仕事は毎年8月~9月迄の間に発生する案件だと、派遣会社から聞きました。
それで、働くスタッフも毎年働くリピーターさん達が、多くいらっしゃいました。
スタッフ達は最盛期は60人はいました。その中で男性スタッフは4人,5人程度。
男性だと圧倒的に目立ちます。

私は丁寧な電話対応を心がけて、実践しました。会社員時代に企業を相手に、ルートセールスの経験が15年程あります。得意先さまからの電話を何本も受けたことがありました。なので、電話応対には少し自信を持っていました。
それならば、コールセンターの仕事も出来るかもしれないと思い、応募したのです。

丸1ヶ月勤務をした八月の最終金曜日に事件が起きました。
私は老婆からの電話を取りました。詳しい内容をお伝え出来ないのはこころ苦しいのですが、電話対応の誤りをコールセンターを管理している社員に、電話対応が終了の後に指摘を受けました。
私からすると、相手の方にも非があるのに、一方的に私だけが悪いと叱責を受けました。
一番エラい責任者(課長)の席に呼ばれ、その隣に座らされて10分近く強く注意を受けました。
その中で絶対に許せない言葉をその課長が吐いたのです。


「貴方はここの職場で働く資格がない。」


私は「パワハラワードじゃんかよ!そんなこと言う職場なんか、今すぐに 辞めてやるよ!!」と腹の中で思いました。ホンとは、課長に対して”喜んで ”と即答したかったのですがね。(笑)
課長に叱責されたのはお昼も間近でした。私は昼休み一人で外の公園にある木陰で、持参した弁当を食べながら「午後は仕事しないで早退しようかな」、「いっそこのままバックれちまおうか」とも思いました。
ただ、この職場を紹介してくれた派遣会社の営業担当者が、すごく真面目な方でしたので、それだけは絶対NGだと思いました。
営業担当者さんは、得意先様(コールセンターの運営会社)や、我々スタッフに対しても丁寧に対応してるのが分かりました。
自分も元営業マンの端くれとして、1つの得意先様に対する”信用の重さ ”を痛いほどわかっている身でしたから。

私は定時終了後に帰宅してから辞める理由を考えました。課長からの叱責内容を正直に派遣会社に伝えようかと思いました。
明らかに言葉の暴力は課長にある。しかし、「ボイスレコーダー」等の証拠は無い。その職場は私物をロッカーに入れるのが規則でした。一切持込禁止の職場でした。それにボイスレコーダーなんて、今でも持っていませんしね。
「課長とのやりとりの事実を伝えても、派遣会社が力関係で不利なのだから、ウヤムヤになってお終いだろうな」とも思えてきました。「私がこの職場を辞めれたらそれで解決だし、あの課長に対しては悔しいけどな。」
所詮派遣社員なんて、遣い捨ての存在だよなと痛感しました。

私は作戦を立てました。まず身内の不幸で数日間休む。休んだ後に又連絡して退職する。
私は土日が公休日でしたので、土曜日の昼頃営業担当者さんに、身内の不幸をショートメールで伝えました。
担当者様からは週明け2、3日休んでも良いので、葬儀が終了したら又ご連絡下さいとの返信。
ここまでは、ほぼ想定内。さて”仕上げ ” の段階です。

自宅に1枚残っていた会葬礼状の葉書。これを使うことにしました。
その葉書には故人の氏名と日付けが書いてありません。これ、本当の話です。
週明けの火曜日に担当者さんにアポを取り、とある駅に近いコーヒーショップで水曜日に面談。
私は独り残った親の介護と、故人の行政手続きで忙しいことを理由にして、退職したい旨を伝えました。
そして、すんなりと了承。

あれから1年。退職する際に、ホンとの理由を伝えて派遣会社の担当者様と、例の課長と私の三者で話合いを持つべきか、その必要がなかったのかは、今でもどちらが正解だったかは分かりません。



作成者: つ―ぽん

40歳を目前に、非正規雇用労働者として生きていくことを決意した男。
体験した職業の数は、50を超える。(正社員と非正規雇用を含め)
現在は、アルバイトでWワークをしながら、生計を立てています。
妻と二人で神奈川県の片隅に、ひっそりと暮らすアラ漢(60近いオトコ)です。